店作りにかける想いは人それぞれ。
こういった取材を続けていると、様々な飲食店さんからお話を聞く機会が多いです。
「お店を始める理由」。 こんな直球ストレートにお聞きする事はないのですが、深くお話していると伝わってくるものです。
もちろん「繁盛店を作りたい!」や今までの経験を基に、「結果を出したい!」 そんな方もみえますし、 「結果的に繁盛すればそれでヨシ」 純粋に自分の想いや人生の中で出会ったものや好きなものを詰め込みたい! そんな方もみえます。 カフェ業態に多いかもしれませんね。 オーナーさんの趣味嗜好をカタチにした、素敵なお店が多いです。
今回は、後者のタイプのお店作りをされているお店。 9月1日に最近オープンしたばかりの「中田屋」さんをご紹介します。※2018年に移転オープンされました
コンセプトは「暖簾×洋麺」の釜揚げパスタ専門!
場所は岐阜市、大縄場大橋に繋がる都通りの中ほどを東へ。 桜通りという場所のマンション一階に佇む「釜揚げパスタ 中田屋」。 一見、イタリアの「伊」とは書かれていますが、暖簾にと引き戸で見た目は和風のお蕎麦屋さん。 しかし、、、屋号の下に、ちゃんと「釜揚げパスタ」の文字。 釜揚げパスタって言うと、チェーン店で「五右衛門」がありますが、 そちらも若干、イタリアンや洋というよりも和を意識した店作りですよね。
しかし、中に入ると、完全に和風! 厨房前のカウンター席、蕎麦屋ライクな対面のカウンター席、テーブル席、お座敷の席がありました。
メニューに「パスタ」の文字が無い!
メニューを見ると、えらく達筆な手書きメニュー。 既製のフォントのような正確性です。
名物は「元祖中田屋トマトソース」。しかし、パスタの文字は無い。 その代わりにイタリアで修行した“お蕎麦”と有ります。
店主の方なりのパスタの表現なんでしょう。 イタリアの蕎麦といえば、確かにパスタ。
さしずめ、幅広なフェットチーネは「きしめん」と言ったところかな?? 割と手頃な価格で、色々なトッピング違いで色々種類があります。 名物は「トマトソース」ですが、9月の限定で「クリームソース」もありました!
後からお聞きしたら、自慢のトマトソース一筋で行きたいらしいのですが、 お客さんから他のも食べたいとリクエストがあるようで揃えられたそうです。 お酒の推しは、やっぱりイタリアの清酒「ワイン」ですね。
銘柄は「カルロ・ロッシ」。 フレッシュ&フルーティーさが特徴のカジュアルなワイン。 遊び心あるお店にピッタリ。
店主は、なんとあの有名人!?
オーダーするため、厨房に声掛けすると、 中から出てきたのは、こちらの方! そうです!! サッカー元日本代表で、イタリアのサッカーリーグで活躍された、ナカタさん! 嘘。 お分かりだと、思いましたが、中田英寿似の片野嵩幸さん。
実際イタリアにも行かれていたり、世界を旅した旅人という共通点もありますが、 決してご本人ではありません。 その日は厨房も含め、一人で切り盛りされてました。
気持ちよいほど、フレンドリーで親切な対応で接してくれます。 このようにカメラリクエストも全開で応じてくれます。 中田似という事で、冗談で提案したら、ホントに屋号になったとのこと。 遊び心ありすぎですね! 詳しくは後ほどに。
オーダーは、名物のトマトソース、限定のクリームソースから一品ずつチョイス。 トマトソースは「海(海老・ツナ・浅蜊)」、クリームソースは「ベーコン・トマト」に茄子トッピングをオーダー。
しかし、トマトの「海」の中で浅蜊が品切れになったとのこと。 ですが、店主のご厚意で同料金で対応していただけました!
気になる、トマトパスタの味は!?
元祖中田屋トマトソース「海」(この日は浅蜊抜き、法蓮草トッピング)950円
パスタにしっかり絡んだトマトソースと生のパセリの香りが良い香り!
緑がプラスされて彩り鮮やかです。 トマトソースというと、酸味が効いて、さらっとしたイメージのものもありますが、 「元祖中田屋トマトソース」はどちらかと言うと、じっくり煮込んで作られた濃厚系。
ボロネーゼに近い感じで、旨みとコクがしっかりしています。 肉は無いのですが、海の具材のツナがその代役になっているのかな? 9月限定クリームソース「トマト・ベーコン(&茄子トッピング)」850円
スープパスタ系のさらっとクリームソースに、ミニトマトとベーコン。 こちらも彩り鮮やかで良い香り。 トマトといってもミニトマトなのでスープの味を壊さず、食べた時に程よい酸味を与えてくれます。 茄子は薄切りのスライスでした!
クリームソースのイメージだとこってり系ですが、 ここのトマトソースと比べてもお味はあっさり系で優しいお味です。 なんといっても、パスタの食感が良い。 釜揚げに秘密があるんでしょうか。
プリプリの食感でコシもあり、いわゆるアルデンテ! パルマ産の乾麺を使用しているそうです。 イタリアのフィレンツェでも、働かれた事があるらしく味はいたって本格的!
名刺にもありますが、まさに麺匠Kattano(カッターノ)ですね。 (そういえばイタリアのサッカー選手にカッサーノっていたな〜)
食後は湯呑みにお茶で。
店内に飾られた力士のサイン風色紙。 お友達でも、本人からもらった物でもなく、相撲を観に行った時にいいなと思って飾ってみたそうです笑
食後はお湯を持ってこられ、卓上のお茶の粉を溶かしてお茶を頂きます。 湯呑みは趣味で揃えた九谷焼だそうです。 この、パスタを食べた後に、湯呑みでお茶を飲む。 片野さんがこだわられる、パスタ屋だけど“蕎麦屋”というスタイルなんですね。
暖簾、湯呑み、書道など、ご縁のあった方からの贈り物も店中にあるそうです。 人生のすべてを店作りに凝縮する! 様々な部分にこだわりや想いを感じました。
「遊びも一生懸命やれば仕事になる。今を一生懸命遊べているか?」
これは、とある元日本サッカー選手は世界を放浪し、旅の果てにこう綴った言葉だそうです。 この言葉が片野さんを、本場みたさにあての無いイタリアへと渡らせた最大の理由でもあり、 今日までの生きる原動力になっているそうです。
なので、パスタ修行のために行った訳ではなく、遊びに行かれた部分の方が強いそうですが。 遊びも本気になれば、仕事になる! だから遊びに情熱を注いで、人生を送りたい!
このサイトを書き続ける自分にも、グっとくる部分はありました。 そんな、思い入れたっぷりのお店と情熱のトマトソース。 ぜひ触れてみてはいかがでしょうか?
【グルメInfo】御宿 中田家 (おんやど なかたや)
※店舗移転につき2018年6月3日に追記(店名・住所・地図等を変更しました)
【住所】岐阜県岐阜市打越248-2
【TEL】058-208-2290
【営業時間】AM11:00〜14:00 PM18:00〜21:00
【定休日】 火曜日
【駐車場】有
【業態】パスタ
【ジャンル】パスタ
【食べるべきメニュー】 元祖中田屋トマトソース
※記事内の情報は記事執筆時点のものになりますので、メニューや店舗の情報等が最新のものと異なる場合がございます。最新の情報は店舗にお問い合わせください。
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